改訂新版 世界大百科事典 「地方六団体」の意味・わかりやすい解説
地方六団体 (ちほうろくだんたい)
各級の普通地方公共団体の首長および議長により組織された六つの全国的連合体の総称であり,具体的には,全国知事会(1947年全国地方自治協議会連合会発足,50年現行改組),全国都道府県議会議長会(1923年道府県会議長会議発足,43年都道府県会議長会議,48年現行改組),全国市長会(1906年全国各市連合協議会発足,30年全国市長会に改称,50年現行改組),全国市議会議長会(1932年全国市会議長会発足,48年現行改組),全国町村長会(1921年全国町村長会発足,47年現行改組),全国町村議会議長会(1949年発足)を指す。これらの団体は地方自治法263条の3にもとづき自治大臣に届出が義務づけられている。いずれの団体も構成者相互間の連絡,共通問題の協議を目的に掲げ,全国的連合組織に独自の職員からなる事務局をもち,ブロックおよび府県ごとに下位の連合体を組織している。現実の政治過程において,これら団体は補助金の交付,公共事業の実施等を求め予算編成時に政党を利用しつつ中央省庁に圧力活動を展開するが,他方,国の重要な地方制度改革時には,時に大規模な反対運動を展開し,また独自の構想を提示してきた。近年では,全国知事会,全国市長会等から地方制度の分権化構想が示されている。また,関東地区知事会は統一的な空カン条例の制定を協議しており,従来の圧力活動からの転換もみられる。地方分権および市町村,都道府県の国政参加の要請にこたえ,これら団体との協議の法制化が国の側でも課題とされている。外国でも地方政府の首長,議長の全国連合組織は,強大な圧力集団として機能している。
→圧力団体
執筆者:新藤 宗幸
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報