地球近傍小惑星(読み)チキュウキンボウショウワクセイ

デジタル大辞泉 「地球近傍小惑星」の意味・読み・例文・類語

ちきゅうきんぼう‐しょうわくせい〔チキウキンバウセウワクセイ〕【地球近傍小惑星】

火星より内側地球近傍に軌道をもつ小惑星総称軌道要素によって分類されたアポロ群アテン群アモール群の三つの群がある。その中で地球に0.05天文単位(約750万キロメートル)以内に接近し、直径100メートル以上のものは「潜在的に地球と衝突する恐れがある小惑星(PHA)」とよばれ、NASA(米航空宇宙局)による追跡プロジェクト(NEAT)が続けられている。地球接近小惑星。近地球型小惑星。アポロアモールアテン型小惑星AAA天体NEA(near earth asteroid)。→地球近傍天体

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「地球近傍小惑星」の意味・わかりやすい解説

地球近傍小惑星
ちきゅうきんぼうしょうわくせい
Near Earth Asteroid

地球に接近する軌道をもつ天体(地球近接天体Near Earth Object)のうち、小惑星をさす。近地球型小惑星ともよぶ。

 地球近傍小惑星はその軌道により、アポロ群(地球軌道の内側にくる事もある小惑星)、アモール群(小惑星の近日点が地球と火星の間にある小惑星)、アテン群(地球軌道の内側にあるが、地球軌道の外側にくる事もある小惑星)、アティラ群(常に地球軌道の内側にある小惑星)に分けられる。

 恐竜を絶滅させた原因が巨大隕石(いんせき)の落下であるという説が有力視され、地球に落下(または衝突)する可能性のある地球近傍小惑星への関心が高まっている。そこで、1996年3月に地球近傍小惑星や彗星(すいせい)などの軌道を正確に観測する体制が国際スペースガード財団として発足した。日本でも日本スペースガード協会が1996年(平成8)6月に設立され、活動している。

[編集部 2022年10月20日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「地球近傍小惑星」の意味・わかりやすい解説

地球近傍小惑星
ちきゅうきんぼうしょうわくせい
near-Earth asteroid

火星の軌道より内側に軌道をもつ小惑星をさす。これらは次の3つに大別される。 (1) 地球の軌道より内側の軌道をもつアテン Aten群,(2) 近日点では地球軌道より内側,遠日点で地球軌道と火星軌道の間を通るアポロ Apollo群,(3) 地球軌道より外側だが火星軌道の内側を通るアモール Amor群。現在までに確認されている地球近傍惑星は 400以上。

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