精選版 日本国語大辞典 「坐すがり」の意味・読み・例文・類語
います‐が・り【坐がり】
- 〘 自動詞 ラ行変 〙 ( 「いますかり」とも。「いますがあり」の変化したものといわれるが、一説に「いましげあり」の意ともいう )
- [ 一 ] 存在の意を表わす「あり(有)」「お(を)り(居)」の尊敬語。いらっしゃる。おいでになる。また、おありになる。いまそがり。いましがり。みまそがり。
- [初出の実例]「いますかりつる心ざしどもを思ひも知らで、まかりなんずる事の口惜しう侍りけり」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
- [ 二 ] 補助動詞として用いる。
坐すがりの語誌
尊敬語「います」を中核として成立した語で、語形としては「いますがり」「いまそがり」「いましがり」がある。平安和文の会話に見え、男性が多く用いているが、漢文訓読文には見えず、一三世紀には文語となってしまう。敬度は「おわします」よりやや低い。接尾語「げ」が付いて名詞になった「いますがりげ」という形もある。