改訂新版 世界大百科事典 「坪刈法」の意味・わかりやすい解説
坪刈法 (つぼがりほう)
イネやムギなど農作物の収量調査法の一つ。収量調査は耕地の作物収量を査定し,相互に比較したり統計値を算出したりする場合に行われるもので,その方法は客観的で信頼のおけるものでなければならない。このためには対象とする圃場(ほじよう)全体の作物を刈り取り,乾燥・脱穀して収量を求める(全刈法という)のが最も望ましいが,多くの労力と時間を必要とするので,限られた小面積の調査結果から,その圃場の10a当り収量を推定する方法がとられる。坪刈法はその一つで,1坪(約3.3m2)の面積を単位として扱うことからこの名がある。刈取領域は正方形のことも,円形のこともある。後者の場合は円形坪刈りと呼ばれる。10a程度の圃場の収量査定のためには通常3~5地点の坪刈りが行われる。推定の精度を高めるため,調査地点の数およびその位置の選定が重要であり,各種の方法が考案されている。
執筆者:松崎 昭夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報