型物(読み)かたもの

精選版 日本国語大辞典 「型物」の意味・読み・例文・類語

かた‐もの【型物】

〘名〙
① 型で作った陶磁器。また、香合(こうごう)や、水指、茶器、棚、机、調度などでは型作りでなくても一種様式をなすもの。
春城随筆(1926)〈市島春城〉趣味談叢「長短大小の過不及はややもすると物の全部の意匠を崩すことがある、所謂形物(カタモノ)と唱へる物は茶人の目の尺度でうまく定めたもので」
演出演技などが固定している歌舞伎狂言
※防雪林(1928)〈小林多喜二〉六「もと旅役者に入ってゐたことがある男で、酔払ふと、昔の型物の真似をするので、皆んな知ってゐた」
人形浄瑠璃から歌舞伎にとりいれた時代狂言

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「型物」の意味・読み・例文・類語

かた‐もの【型物】

型で作った陶器
交趾焼コーチやき古染付こそめつけ香合こうごうのように、茶道具一つの様式をなすもの。
演出や演技などが固定化している歌舞伎狂言

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の型物の言及

【花火】より

…そのおもりが下になって落下するので風穴から空気が入り,空中に浮かぶのである。(c)型物 文字や模様を花火の星で現すものである。あらかじめ玉皮の内面に星を現そうとする形に配列しておく。…

※「型物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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