塩化セシウム(読み)エンカセシウム

化学辞典 第2版 「塩化セシウム」の解説

塩化セシウム
エンカセシウム
caesium chloride

CsCl(168.36).炭酸セシウムを塩酸に溶かし,蒸発結晶させると得られる.無色の結晶.格子塩化セシウム型構造.格子定数a = 0.411 nm.原子間距離Cs-Cl0.345 nm.450 ℃ 以上では岩塩型構造に転移する.密度3.99 g cm-3.融点645 ℃,沸点1290 ℃.純粋の結晶は吸湿性はない.水に易溶,エタノール,メタノールに可溶,アセトンに不溶.気体分子はCs2Cl2.重金属の塩化物と結晶状の多くの複塩をつくる.他のセシウム化合物,光電管,感光性蒸着膜,蛍光体,触媒光ファイバーなどの製造,塩素化剤,密度勾配遠心用試薬などに用いられる.[CAS 7647-17-8]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「塩化セシウム」の意味・わかりやすい解説

塩化セシウム
えんかセシウム
caesium chloride

無色結晶 (立方晶系) 。密度 3.98g・ cm-3 ,融点 645℃,沸点 1290℃,比重 3.98。結晶構造は塩化セシウム型だが,450℃で塩化ナトリウム型へ転移する。水に易溶。エチルアルコールに可溶,アセトンに不溶。放射線透過写真のコントラスト剤に使用される。

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