日本大百科全書(ニッポニカ) 「塩池」の意味・わかりやすい解説
塩池
えんち / イエンチー
中国、寧夏(ねいか)回族自治区東部にある呉忠(ごちゅう)市の県。人口17万2343(2014)。自治区の首府銀川(ぎんせん)の南東、万里の長城に沿う地にあり、県境は陝西(せんせい)省、甘粛(かんしゅく)省、内モンゴル自治区に接する。黄土(こうど)高原北辺のオルドスの砂漠へ移行する地域で、乾燥草原をなし牧畜が盛んである。なかでも寧夏灘羊(タンヤン)は有名な品種で、羊毛と羊肉は県の大きな収入源となっている。明(みん)代に長城線の軍事基地として花馬池城が築かれ、中華民国期に県が置かれた。県の西部に塩湖の花馬池があり、そこで産出された岩塩は長城を越えて馬と交換されたほか、国内でも青白塩とよばれて大量に流通した。カンゾウの名産地でもある。
[秋山元秀・編集部 2017年5月19日]