獣医学者。静岡県に生まれる。1915年(大正4)東京帝国大学農科大学獣医学科を卒業後、ドイツのカイザー・ウィルヘルム研究所(現、マックス・プランク研究所)においてR・B・ゴルトシュミットのもとで「性の決定」に関する研究を行った。帰国後、1935年(昭和10)東京帝国大学教授に任命され家畜解剖学講座を担任、家畜解剖学・発生学・遺伝学の講義を受け持った。数多い研究業績のなかでとくに注目すべきものは、1924年に発表された『雄鶏ニ於(お)ケル退化交尾器官並ニ初生雛(びな)ノ雌雄鑑別ニツイテ』(橋本重郎(じゅうろう)・大野勇共著)で、この業績を基礎として開発された初生雛の指頭鑑別法は、日本の養鶏界の発展に大きく寄与するとともに、日本人鑑別師が世界各国で活躍する端緒となった。
[正田陽一]
…熟練した鑑別師は競技会で100羽の雛を100%の精度で3分間で鑑別する。この鑑別法は増井清らによって開発された日本独特の技術で,日本人鑑別師が世界各国で活躍してきた。(2)機械鑑別法 チックテスターという光学機械を用いて,機械の先端のガラスの曲管を雛の直腸に挿入し,腹腔内の生殖腺を直腸壁を通して外部からのぞいて鑑別する方法。…
※「増井清」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報
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