士官学校事件(読み)しかんがっこうじけん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「士官学校事件」の解説

士官学校事件
しかんがっこうじけん

1934年 11月,皇道派の青年将校が陸軍士官学校生徒を扇動してクーデターを計画したという容疑で逮捕され,軍法会議にかけられた事件。十一月事件とも呼ばれる。 20日に東京,新宿の宝亭に歩兵第 26連隊大隊副官村中孝次大尉を中心に陸軍青年将校約 30人が集り,士官学校生徒をクーデターの実行部隊として,28日の臨時議会開院式を期して首相,重臣,財閥首脳などを暗殺して混乱を起し,戒厳令下に革新軍政府の樹立をはかる謀議を行なったのが密告によって軍の知るところとなり,22日に村中らが憲兵隊によって検挙された。軍法会議は証拠不十分として不起訴処分にしたが,軍は村中,士官学校付片岡太郎中尉,野砲兵第一連隊付一等主計磯部浅一を停職処分に付した。士官学校事件は,統制派と皇道派の対立のなかで,相沢事件二・二六事件を招く導火線となった。村中らの謀議を密告したのは政信士官学校教官であったというのが,第2次世界大戦後の定説となっている。士官学校事件は,35年4月になって,初めて陸軍省によって発表された。

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世界大百科事典 第2版「士官学校事件」の解説

しかんがっこうじけん【士官学校事件】

1934年に起こった陸軍の統制派皇道派との抗争事件。十一月事件とも呼ばれる。同年8月陸軍士官学校の生徒隊中隊長に就任した辻政信大尉は,腹心の士官候補生を使って,士官候補生に影響を及ぼしていた皇道派青年将校村中孝次大尉(陸軍大学校在学中)から,皇道派が11月27日召集の第66臨時議会の前後にクーデタを計画しているという情報を探りださせた。辻はこの情報を憲兵司令部および先輩の片倉衷少佐に注進し,11月20日村中や磯部浅一一等主計らが緊急逮捕された。

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