誣告罪(読み)ぶこくざい(英語表記)falsche Verdächtigung

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

誣告罪
ぶこくざい
falsche Verdächtigung

他人に刑事または懲戒の処分を受けさせる目的で虚偽の事実を申告する罪 (刑法 172) 。誣告行為は,虚偽の申告が警察署や検察庁など相当官署に届いて了知できる状態に達したときに完了する。この罪の本質をめぐって個人法益説,国家法益説などが唱えられてきたが,通説は,国家審判作用を適正に保持するためと,個人の法的地位の安定を保護することを目的とするとの二元説をとっている。したがって自己誣告と同様,架空人の誣告もこの罪を構成しない。なお狂言強盗の被害報告などは誣告罪とはならず,軽犯罪法1条 16号で処罰される。本罪を犯した者が,事件の裁判確定前または懲戒処分前に自白したときは,減軽または免除する (刑法 173) 。

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精選版 日本国語大辞典の解説

ぶこく‐ざい【誣告罪】

〘名〙 人に刑事処分や懲戒処分を受けさせる目的で虚偽の申告をすることによって成立する罪。刑法一七二条に規定。
※律(718)逸文・断獄「凡囚在禁。妄引人為徒侶者。以誣告罪論」

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世界大百科事典内の誣告罪の言及

【虚偽告訴罪】より

…人に刑事または懲戒の処分を受けさせる目的で虚偽の申告をする罪で,3ヵ月以上10年以下の懲役に処せられる(刑法172条)。刑法の表記現代化以前は〈誣告(ぶこく)罪〉とよばれた。本条は被告訴者の法的自由および国家の審判作用を保護しようとするものである。…

※「誣告罪」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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