日本大百科全書(ニッポニカ) 「外聴域」の意味・わかりやすい解説
外聴域
がいちょういき
火山爆発などのような大きな音があったとき、無音域の外側に音の聞こえる地域が現れる。この音域を外聴域または異常聴域という。音源のすぐ近くの音の聞こえる範囲を内聴域、その先の音の聞こえない範囲を無音域といい、その先のふたたび音が聞こえる区域が外聴域である。1913年(大正2)7月の浅間山の爆発では、噴火地点より50~150キロメートルの範囲が無音域で、外聴域は150~250キロメートルであった。また内聴域はおもに東方に延び、外聴域はおもに南西方向にあった。この異常伝播(でんぱ)の原因については多くの研究があるが、高空の風向と風速および気温の鉛直分布がおもな原因で、空高く成層圏に上った音がふたたび地上に降りてきたものである。なお、この外聴域については、大砲の音の伝わり方の研究からわかってきたといわれる。
[大田正次]