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多形滲出性紅斑 たけいしんしゅつせいこうはんerythema exsudativum multiforme

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

多形滲出性紅斑
たけいしんしゅつせいこうはん
erythema exsudativum multiforme

多形紅斑ともいう。対側性に生じる環状の滲出性,浮腫性,水疱性の紅斑で,手背,足背,膝蓋部,肘頭部などに好発する。小紅斑あるいは丘疹状の皮疹が現れ,これが次第に遠心性に拡大する。辺縁は堤防状にやや隆起し,中心部は紫紅色を呈することが多い。新旧の皮疹が混在し,水疱のあるものもあって,皮疹は多形性になる傾向が強い。ときにかゆみ,発熱,関節痛,全身倦怠感などを伴う。原因は多様で,感染アレルギー,薬剤アレルギー,ウイルス感染症に続発するもの,全身性紅斑性狼瘡の一症状,などがある。本症にベーチェット病などの粘膜,眼病変を併発するものは皮膚粘膜眼症候群といって,別の疾患として取扱うことが多い。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典 第2版の解説

たけいしんしゅつせいこうはん【多形滲出性紅斑 erythema multiforme】

主として四肢に滲出傾向のつよい紅斑が多発する皮膚疾患。女性に多くみられる。発疹は多彩で症例や病気により異なり,小型丘疹状のものから,環状,中心退色,辺縁がやや膨隆する定型的な滲出性紅斑,あるいは出血,糜爛(びらん),水疱を示すものなどがある。原因のまったくわからないいわゆる特発性の軽症型(ヘブラ型)と,全身症状を伴うあるいは全身疾患の一部分症としての重症型に大別される。ヘブラ型はほとんど全身症状を伴わず,発疹は小指頭大の滲出性の紅斑で,四肢に多発する。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

多形滲出性紅斑
たけいしんしゅつせいこうはん

オーストリアの皮膚科医ヘブラFerdinand von Hebra(1816―86)が系統的分類で独立疾患名として提唱したものであるが、現在では、形態的に多形な滲出性紅斑を主要な皮膚症状とする疾患には病因的に多種多様のものがあるため、ヘブラ型多形滲出性紅斑と症候性多形滲出性紅斑に分けられている。通常、特記すべき前駆症状もなく、手足や指背部、肘頭(ちゅうとう)や膝蓋(しつがい)部などの露出部に対側性に、わずかに隆起する淡紅色の丘疹(きゅうしん)として始まり、やがて大きさを増すとともに中央部がやや陥凹し、潮紅が消退する環状紅斑となる。まれに水疱(すいほう)形成や出血を伴うこともある。(そう)(そうよう)感や灼熱(しゃくねつ)感などの自覚症状を訴えることがあるが、通常は粘膜症状や全身症状が欠如する。
 治療は、抗ヒスタミン剤、非ステロイド消炎剤などの内服とステロイドの外用で、皮疹は比較的短期間に消退するが、症候性多形滲出性紅斑では症例ごとに発症原因を検討して治療法を適宜選択する必要がある。[渡辺晋一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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