多福寺(読み)たふくじ

日本歴史地名大系 「多福寺」の解説

多福寺
たふくじ

[現在地名]臼杵市二王座 二王座

臼杵川右岸、舌状台地の北端麓にある。正覚山と号し、臨済宗妙心寺派。本尊釈迦如来。慶長六年(一六〇一)了室の開山という。初め仁王座におうざ西岡にしのおかの現法音ほうおん寺の地にあったといい、かつて隣端に意足いそく庵があったが、のち多福寺の所属となったという(寺社考・臼杵小鑑)。寛永八年(一六三一)三代藩主稲葉一通の亡室徳雲院の旧宅を改めて本堂を建立したという(臼杵小鑑)

多福寺
たふくじ

[現在地名]三芳町上富

上富かみとめの北西部の田園地帯にある。三富山と号し、臨済宗妙心寺派。本尊は釈迦如来。元禄九年(一六九六)川越藩主柳沢吉保が上富、中富なかとみ・下富(現所沢市)三富さんさみ新田村開拓のために入植した農家の菩提寺として、江戸東北とうぼく寺の洞天を招き開創。二世は柳沢吉保の異父弟の虎峰玄章が入寺している。本尊釈迦如来像は荻沢源太右衛門、達磨像は川越藩の家老柳沢権太夫など三富開発にかかわった人々によって寄進されている。以来当寺西隣の中富村に建立された毘沙門堂とともに三富の村民の精神的支柱となった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の多福寺の言及

【三芳[町]】より

…サツマイモのほか,ニンジンなど根菜類を中心にした野菜産地でもある。上富には開拓当初の短冊形地割りやケヤキ並木が残り,三富開拓農家の菩提寺として建てられた多福寺がある。【千葉 立也】。…

※「多福寺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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