日本歴史地名大系 「夜疑神社」の解説 夜疑神社やぎじんじや 大阪府:岸和田市中井村夜疑神社[現在地名]岸和田市中井町二丁目「延喜式」神名帳に「夜疑(ヤキノ)神社」とみえる。祭神は布留多摩乃命。「新撰姓氏録」(右京神別)に「八木造 和多罪豊玉彦命児布留多摩乃命之後也」とあることから、祭神を祖神とした八木一族が奉祀したのが当社の起源と考えられている。旧郷社。俗称は「中井の宮さん」。久米田(くめだ)寺蔵の「隆池院総跡記第一」という近世の記録によると、中世の夜疑社は久米田寺の鎮守春日大明神と習合し、久米田池の守神とされていたようである。久米田寺の隆池院縁起(久米田寺文書)には、久米田池を築造したとき日月星辰が「白人」となって現れ、堤を固めたという中世の縁起伝承が記されているが、この白人を夜疑社の神とみなし、それが昼に出て土を運び夜は隠れて現れないので、衆人は毎夜これを疑い、その故に夜疑社と称したという神名解釈も行われ、また中井(なかい)にある神社は、久米田の夜疑社の祭礼神幸の際の休息所(御旅所)であるから、その神は久米田寺鎮守と同一であるという所伝が、前掲隆池院総跡記にみえる。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by