中井村(読み)なかいむら

日本歴史地名大系 「中井村」の解説

中井村
なかいむら

[現在地名]河原町中井

天神原てんじんばら村の西、東流する曳田ひけた川と北東流する支流小河内おごうち川の合流点付近に位置し、集落は曳田川北岸と南岸に分れる。拝領高三五六石余、本免五ツ一分。馬場氏・落合氏・秋田氏・杉浦氏の給地があった(給人所付帳)。「因幡志」では家数三六、産物は鼻紙。安政五年(一八五八)の村々生高竈数取調帳では生高四一五石余、竈数三九。藪役四分余・川役四斗余を課されていた(藩史)。宝暦一四年(一七六四)当村など一〇ヵ村は当時中絶していた当村と曳田村の間の通船を再開するため川筋掘削を鳥取藩に願出て、これを許可された。


中井村
なかいむら

[現在地名]龍野市龍野町中井

片山かたやま村・末政すえまさ村の東に位置し、揖東いつとう郡に属する。村の中央部を龍野町から姫路方面に通ずる道がけやき坂の切通しに向かって横断する。正保国絵図(内閣文庫蔵)にはこの峠に「此所三町坂」と記されている。中世には弘山ひろやま庄に含まれた。正長元年(一四二八)一〇月一一日の祥雲庵納所分注文(大徳寺文書)に中井村道善とみえ、上揖保かみいぼ庄にあった祥雲庵の所領河原荒堀の分米三升の地の作人と思われる。慶長五年(一六〇〇)池田輝政(姫路藩)領となり、翌六年加賀野次郎右衛門は池田輝政から中井村内六九石余など都合七〇〇石を与えられている(「香河保家譜」鳥取県立博物館蔵)


中井村
なかいむら

[現在地名]金山町玉梨たまなし

八町はちまち村の南七町に位置し、田島たじま(現田島町)への道に沿う街村。村の西を野尻のじり川が北流し、端村上中井を対岸に置く。文禄三年(一五九四)の蒲生領高目録に「中井八町」とあり、八町村とともに高付され、高一八一石余。慶長二年(一五九七)年貢割付状(新編会津風土記)に中井八町村とあり、同高で免二ツ一分、物成は永楽銭五貫五〇〇文であった。


中井村
なかいむら

[現在地名]鴻巣市中井・赤見台あかみだい二丁目

箕田みだ村の北西、元荒川右岸の低地上にある。西は前砂まえすな(現吹上町)、南は小谷こや(現同上)。南東部から北西部に向けて中山道が通り、往還通の長さは二町四九間余、一町ほどが家並となっている(宿村大概帳)。村名は中居とも記される。足立郡おし領に属した(風土記稿)。寛永一二年(一六三五)の忍領在々御普請役高辻帳(中村家文書)に村名がみえ、高一六七石余。田園簿では田一一七石余・畑四九石余、旗本岡領。「寛政重修諸家譜」によれば寛永一〇年岡孝房は足立郡内に知行地を移されたとあり、以後幕末まで同領。


中井村
なかいむら

[現在地名]岸和田市中井町一―三丁目

吉井よしい村の南東、大津おおつ川の左岸、久米田くめだ池から流下するあまノ川の中流域、紀州街道と熊野街道(小栗街道)の中間に位置する。府中ふちゆう街道が村の北東から西へ走り、やがて条里に沿って南西に通ずる。村高は文禄三年(一五九四)検地高四三五石余(東京大学史料編纂所蔵文書)。延宝七年(一六七九)岸和田藩による新検高は五六四石余(寛保三年「免割帳」・「中井村諸品差出帳」同蔵)。領主の変遷は吉井村に同じ。用水は久米田池懸り。


中井村
なかいむら

[現在地名]山崎町中井

揖保いぼ川の支流菅野すがの川の下流左岸に位置し、東は下広瀬しもびろせ村。慶長一二年(一六〇七)姫路藩主池田輝政は「中井村」三三二石余などを家臣の国府内蔵允に与えた(「国府久孝家譜」鳥取県立博物館蔵)。領主の変遷は山崎村と同じ。正保郷帳では田方二九八石余・畠方一一石余。下村氏手控帳(下村家文書)によると、寛文―延宝(一六六一―八一)には四ツ成高四一九石余、田一三町五反余・畑二町一反余・桑役(真綿)一〇匁、家数二二・人数一五六、馬五・牛一四。


中井村
なかいむら

[現在地名]岡山市中井

雄町おまち村の西にあり、南は清水しみず村。川中に井筒があって冷水が湧出するので、川中の井を略し村名にしたという(吉備温故秘録)。寛永八年(一六三一)検地帳(岡山市立中央図書館蔵)では田高六三九石余(三二町五反余)・畑高一一一石余(五町九反余)、屋敷筆数二六、名寄人数五二。「備前記」によると平場の集落で、「備陽記」では田畑三八町一反余、家数四八・人数二八四。


中井村
なかいむら

[現在地名]吉川町中井

せき新田の南西に位置し、村の南を大場おおば川が流れる。元禄郷帳に村名がみえ、高二七六石余。化政期の家数三〇(風土記稿)。「郡村誌」によると戸数三五・人口二〇七、馬一〇、水害予備船二五・耕作船一四。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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