大中寅二(読み)おおなかとらじ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「大中寅二」の意味・わかりやすい解説

大中寅二
おおなかとらじ
(1896―1982)

作曲家。東京生まれ。山田耕筰(こうさく)に師事。1925~26年(大正14~15)ドイツ留学ウォルフに学ぶ。長年にわたって霊南坂教会のオルガン奏者およびクワイアマスターを務める。『主よわれをあわれみたまえ』(1963)など20を超えるカンタータや、オルガン曲『小さな序章と前奏曲・K1001』(1969)など、宗教音楽の分野に多くの作品を残した。また歌曲も多く、とくに島崎藤村の詩による『椰子(やし)の実』(1936)は有名である。息子に作曲家の大中恩(めぐみ)がいる。

船山 隆]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「大中寅二」の解説

大中寅二 おおなか-とらじ

1896-1982 昭和時代の作曲家。
明治29年6月29日生まれ。山田耕筰(こうさく)に師事し,大正14年ドイツに留学。東京霊南坂教会のオルガン奏者をながくつとめ,カンタータやオルガン曲などの宗教音楽をおおく作曲した。島崎藤村の詩による「椰子(やし)の実」は有名。昭和57年4月19日死去。85歳。東京出身。同志社大経済学部卒。

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