大人びる(読み)オトナビル

デジタル大辞泉 「大人びる」の意味・読み・例文・類語

おとな・びる【大人びる】

[動バ上一][文]おとな・ぶ[バ上二]
外見態度大人らしくなる。一人前になる。「―・びた声」
かなりの年配になる。
「まさご君の御乳母めのと、―・びにたれど、かたち宿徳しうとくにてあり」〈宇津保・国譲中〉
[類語]ひねるませる分別くさい大人っぽい早熟

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「大人びる」の意味・読み・例文・類語

おとな‐・びる【大人びる】

  1. 〘 自動詞 バ上一 〙
    [ 文語形 ]おとな・ぶ 〘 自動詞 バ上二段活用 〙
  2. からだつき、思慮分別、態度などが、一人前の感じになる。おとならしくなる。成長する。ませてくる。おとなむ。
    1. [初出の実例]「子のおとなぶるに、親のたちかはり痴れゆくことは」(出典:源氏物語(1001‐14頃)乙女)
    2. 「細い臂(ひぢ)を故(ことさ)らに張って、さらさらと書き出す様の、いかにも大人(オトナ)びて小面(こづら)の憎いに」(出典:当世少年気質(1892)〈巖谷小波〉二)
  3. かなりの年配になる。年功を積んで、おもおもしい人になる。年がふけている。
    1. [初出の実例]「まさご君の御乳母、おとなびにたれど、かたち宿徳(しうとく)にてあり」(出典:宇津保物語(970‐999頃)国譲中)
  4. 女性が、結婚したり、子をもうけたりして、一人前の女になる。
    1. [初出の実例]「宮のはじめてをとなび給ふなるには、いかでか、とのたまはせて、御はかし奉らせ給へり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)宿木)

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