デジタル大辞泉
「大后」の意味・読み・例文・類語
おお‐きさき〔おほ‐〕【大▽后/▽太▽后】
1 (大后)皇后。おおきさい。
「―とせむ美人をまぎたまふ時」〈記・中〉
2 (太后)皇太后。おおきさい。
「天皇―共に大納言藤原家に幸す日に」〈万・四二六八・詞書〉
おお‐きさい〔おほ‐〕【大▽后】
「おおきさき」の音変化。
「―の、尚侍を参らせ奉り給ひて」〈源・若菜上〉
コニオルク【大后】
《古代朝鮮語》大后。正夫人。
「王及び―王子等」〈雄略紀〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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おお‐きさきおほ‥【大后・太后】
- 〘 名詞 〙
- ① 天皇の正妻。第一のきさき。皇后。嫡后。おおきさい。
- [初出の実例]「然れども更に大后(おほきさき)と為む美人を求(ま)ぎたまひし時」(出典:古事記(712)中)
- ② 先帝の皇后。皇太后(こうたいごう)。おおきさい。
- [初出の実例]「皇后(きさき)を尊びて皇太后(オオキサキ)と曰(まを)す」(出典:日本書紀(720)綏靖元年正月(熱田本訓))
コンオルク【大后】
- 〘 名詞 〙 =コニオルク(大后)
- [初出の実例]「王(こきし)及び大后(コオルク)(〈別訓〉斤於流久)王子(せしむ)等、皆敵の手に没(し)ぬといふ」(出典:日本書紀(720)雄略二〇年冬(前田本訓))
コニオルク【大后】
- 〘 名詞 〙 ( 古代朝鮮語で、「コニ」は大の意、「オルク(またはオリク)」は夫人の意か ) 大后。正夫人。コンオルク。
- [初出の実例]「大后(コニヲルク)(〈別訓〉こむをるく、こをるく)」(出典:釈日本紀(1274‐1301)一七)
おお‐きさいおほ‥【大后】
- 〘 名詞 〙 「おおきさき(大后)」の変化した語。
- [初出の実例]「御まじらひの程も心ぼそげにて、おほきさいの内侍督を参らせたてまつり給ひて」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜上)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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世界大百科事典(旧版)内の大后の言及
【皇后】より
…
【日本】
天皇の嫡妻。上古には天皇の妻室である后妃をキサキといい,その最上位者を〈大后〉すなわちオオキサキと称したが,中国の制に倣ってからこれを皇后と称した。《令義解》は皇后に〈天皇之嫡妻〉と注しているが,のちには天皇と配偶関係のない皇后が置かれたこともある。…
※「大后」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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