大坂山口神社(読み)おおさかやまぐちじんじや

日本歴史地名大系 「大坂山口神社」の解説

大坂山口神社
おおさかやまぐちじんじや

[現在地名]香芝市大字穴虫小字宮山

二上にじよう山北方の独立小丘北麓に鎮座往時の大坂越の一である穴虫あなむし街道に面する。旧村社。祭神須佐之男すさのお命・大山祇おおやまつみ命・天児屋根あめのこやね命。「延喜式」神名帳葛下かつげ郡の「大坂山口神社大、月次新嘗」とされる(大和志)北東約八〇〇メートルの香芝市逢坂おうさかにも同名の社がある。大和国には一四の山口社が鎮座し(延喜式)、一般に大山祇神を奉斎した。大坂山口神は天安三年(八五九)一月二七日、従五位下より正五位下に昇叙、同年(貞観元年)九月八日には風雨祈願のため奉幣(三代実録)、祈年祭には馬一匹を加えられ、祈雨祭神八五座の一であった(延喜式)


大坂山口神社
おおさかやまぐちじんじや

[現在地名]香芝市大字逢坂小字サカ

逢坂おうさか集落西部に鎮座。寛永一五年(一六三八)の棟札によれば牛頭天王社と称し、明治期の「神社明細帳」には祭神天児屋根あめのこやね命・建速須佐之男たけはやすさのお命・稲倉魂うかのみたま命とあるが、「延喜式」神名帳葛下かつげ郡の「大坂山口神社大、月次新嘗」にあたるとして祭神も大山祇おおやまつみ命とする。式内社については香芝市穴虫あなむしの大坂山口神社とする説が多く、度会延経「神名帳考証」のみが当社にあてる。社蔵の室町期の宮座文書に「ヤマノクチヘ一セン」と記すが、「ヤマノクチ」は未詳本殿(県指定文化財)は三間社流造・檜皮葺。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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