日本大百科全書(ニッポニカ) 「大学才人派」の意味・わかりやすい解説
大学才人派
だいがくさいじんは
University Wits
1580~1590年代前半、オックスフォード、ケンブリッジいずれかの大学出身者でロンドンを舞台に活躍した文学者グループの呼称。ジョン・リリー、ジョージ・ピール、ロバート・グリーン、トマス・ナッシュ、トマス・ロッジ、クリストファ・マーローらが主要メンバーで、当時次々と建つ劇場に、セネカ風悲劇、ロマンス風喜劇、歴史劇など多様な戯曲を提供、また散文物語なども数多く出版した。グループとしてとくに主張を掲げてはいないが、古典文学の教養を当時民衆の娯楽とされた演劇に導入した功績は大きい。その放縦(ほうじゅう)な生活ぶりや、大学に行かなかったシェークスピアに対抗意識を燃やしたことでも知られる。
[村上淑郎]
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