大尽舞(読み)ダイジンマイ

デジタル大辞泉 「大尽舞」の意味・読み・例文・類語

だいじん‐まい〔‐まひ〕【大尽舞】

江戸中期ごろから江戸新吉原でうたわれた25段からなる謡い物最初は舞もあったらしい。享保期(1716~1736)の道化役者中村吉兵衛創始という。

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精選版 日本国語大辞典 「大尽舞」の意味・読み・例文・類語

だいじん‐まい‥まひ【大尽舞】

  1. 〘 名詞 〙 江戸中期頃から江戸新吉原遊郭で歌われた囃子舞(はやしまい)正徳・享保(一七一一‐三六)頃の道化役者二朱判吉兵衛(中村吉兵衛)の創始という。郭(くるわ)由来、紀伊国屋文左衛門らの大尽遊君などを歌った二五段から成る謡いもの。だいじん。
    1. [初出の実例]「エイホノ大尽舞(タイシンマイ)を見さいなア」(出典洒落本・青楼惚多手買(1789‐1801)二)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大尽舞」の意味・わかりやすい解説

大尽舞
だいじんまい

江戸時代中期から末期に江戸吉原で行われた一種の囃子舞 (はやしまい) 。 25段あり,郭の由来,町名,大尽,遊君など吉原関係の名物を教えたもの。享保年間 (1716~36) の道化役者中村吉兵衛の創始という。初めは舞を伴っていたが,のち歌うだけになった。

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世界大百科事典(旧版)内の大尽舞の言及

【紀伊国屋文左衛門】より

…【竹内 誠】
[伝承と作品化]
 文左衛門の俗伝は,ミカンの買出しと吉原豪遊によって有名であり,また明暦大火のおり木曾材買占めで巨利を得た河村瑞賢の逸話が混同されるなど,早くから伝説化した。享保期の俳優二朱判吉兵衛作と伝えられる《大尽舞》に〈抑(そもそも)お客の始りは高麗もろこしはぞんぜねど,今日本にかくれなき紀の国文左でとゞめたり,緞子(どんす)大尽はりあひに三浦の几帳(きちよう)を身受する……〉とうたわれている。江戸期随筆考証文の類にも紀文の事跡は記されたが,真偽わかちがたい。…

※「大尽舞」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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