仏教経典。『大般若波羅蜜多(はらみった)経』の略称。全600巻。中国、唐の玄奘三蔵(げんじょうさんぞう)訳。サンスクリット名はマハープラジュニャーパーラミター・スートラMahāprajñāpāramitā-sūtra。この経は、紀元1世紀ごろから個々に成立した般若部の諸経典を集大成した一大叢書(そうしょ)で、16部に分かれ、八十余科の名数をあげて、般若波羅蜜、諸法皆空(かいくう)などを明らかにした般若経典集。したがって、この経には、『大品(だいぼん)般若経』『小品般若経』『文殊(もんじゅ)般若経』『金剛(こんごう)般若経』などの諸経典が含まれている。般若経の読誦(どくじゅ)、書写、思索などによる諸功徳(くどく)が説かれていることから、除災招福、鎮護国家などに有益であるとされた。ことに日本においては、703年(大宝3)文武(もんむ)天皇のとき『大般若経』の転読(経題や経の初中終の数行の略読を繰り返すこと)が行われたことが『続日本紀(しょくにほんぎ)』にみられる。それ以後、日本では宗派の別なく勅命によりこの転読が行われた。
[坂部 明]
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…密教化した《理趣経》なども般若経典の一部である。これらを集大成したものが玄奘訳《大般若経》600巻である。注釈書として,インド,チベットでは弥勒の著とされる《現観荘厳論(げんかんしようごんろん)》が重んじられたが,中国,日本では竜樹の著とされる《大智度論》100巻(クマーラジーバ訳)が最もよく読まれた。…
※「大般若経」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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