大野台支石墓群(読み)おおのだいしせきぼぐん

日本歴史地名大系 「大野台支石墓群」の解説

大野台支石墓群
おおのだいしせきぼぐん

[現在地名]鹿町町深江免 南の股・北平

江迎えむかえ川のやや幅広い川床面をみせる東岸の丘陵上(標高八〇メートル)にある縄文時代・弥生時代の遺跡。国指定史跡。昭和四一年(一九六六)・同五七年に発掘調査。A―Eの五地点からなる支石墓群で、現在確認されているのはC地点で支石墓八基・甕棺墓一基、E地点で支石墓で三七基。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

国指定史跡ガイド 「大野台支石墓群」の解説

おおのだいしせきぼぐん【大野台支石墓群】


長崎県佐世保市鹿町町にある墓群。江迎(えむかえ)湾の南、標高約70~80mの高台に所在し、その規模は原山支石墓群(島原市)とともに最大級を誇る。これらの墳墓が造られた時期は、出土物などから縄文時代晩期から弥生時代前期に比定されており、墳墓群の推移を考えるうえで重要な遺跡であることから、1985年(昭和60)に国の史跡に指定された。遺跡はA~Eの5地点に分かれ、C地点とE地点が史跡。C地点は1966年(昭和41)に調査され、箱式石棺8基と甕棺(かめかん)1基を確認。E地点は標高が最も高い80mの場所にあり、38基の支石墓が確認された。時期的にはいずれも縄文時代晩期を中心とするが、E地点には弥生後期に属する祭祀遺構が認められ、中から広形銅矛(どうほこ)の袋部(着柄部)が出土。支石墓とは明らかに時期が異なる遺構である。支石墓の下部構造は箱式石棺がほとんどで、長崎県の支石墓群の特徴をよく示している。松浦鉄道西九州線江迎鹿町駅から徒歩約20分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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