大門坂(読み)だいもんざか

日本歴史地名大系 「大門坂」の解説

大門坂
だいもんざか

[現在地名]那智勝浦町那智山

那智川に架かる二瀬にのせ橋の北西から那智一山の大門(現存せず)に向かう約六〇〇メートルの旧那智参詣道。登り口の左右に女夫めおと杉とよばれる幹周囲八・五メートルの大杉が二本あり、これより大門跡まで杉並木が続く。坂道は鎌倉時代に敷かれたという石畳道となっている。

「中右記」天仁二年(一一〇九)一〇月二七日条に「行十余町入那智発心門鳥居、登坂数十町入大門」とある坂道がこの大門坂にあたる。正安元年(一二九九)成立という一遍聖絵(歓喜光寺本)の那智山の場面に、石畳の坂道が大門に向かっているのが描かれている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「大門坂」の解説

大門坂

和歌山県東牟婁郡那智勝浦町にある石畳の坂道。「だいもんざか」と読む。ユネスコの世界遺産にも登録された国の史跡熊野古道」にある道で、中辺路(なかへち)の一部。うっそうと茂る杉並木が美しく、熊野古道の中でも往時面影を特によく残す。県道46号那智山勝浦線の市野々(いちのの)ふもとから熊野那智大社に至る約1キロメートルの区間は、「那智勝浦町大門坂線」の名称で1986年に「日本の道百選」(建設省)に選定されている。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android