朝日日本歴史人物事典 「大高坂維佐子」の解説
大高坂維佐子
生年:万治3.11.7(1660.12.9)
江戸前期の著述家。阿波の人成瀬忠重の娘で,名はいち。維佐子は字。松山藩儒者大高坂芝山と結婚。幼時から学を好み,観音信仰にも篤かった。藩主松平定直夫人亀の方の父越後高田藩主稲葉正直の要請により『唐錦』13巻(復刻,『日本思想大系』16巻)を編述。中国の『女四書』などを広く参照し体系づけ例証を挿入し,女性による女訓書の先駆となる。他に『続女訓』10巻があるが未詳。<参考文献>柴佳子『江戸時代の女たち』
(中嶌邦)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報