大鵬正鯤(読み)たいほうしょうこん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大鵬正鯤」の意味・わかりやすい解説

大鵬正鯤
たいほうしょうこん
Da-peng Zheng-kun

[生]康煕30 (1691). 福建泉州
[没]安永3 (1774).10.13. 宇治
中国,黄檗僧で長崎派画家本姓は王,名は正鯤,号は笑翁。享保6(1721)年来朝し,長崎福済寺住持となり,のちに黄檗山萬福寺の法席を継いだ。力強く品格の高い墨竹図で有名。主要作品『懸崖叢竹図』(福済寺),『墨竹図』(同)。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「大鵬正鯤」の解説

大鵬正鯤 たいほう-しょうこん

1691-1774 清(しん)(中国)の僧。
康煕(こうき)30年生まれ。黄檗(おうばく)宗。享保(きょうほう)7年来日し,長崎福済寺の全巌広昌の法をつぐ。延享2年山城(京都府)万福寺住持となり,宝暦8年にふたたび同寺の住持となった。安永3年10月25日死去。84歳。泉州(福建省)出身別号に笑翁。著作に「大鵬和尚進山語録」。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の大鵬正鯤の言及

【黄檗美術】より

…また渡来した黄檗僧たちは,文人の墨戯としての四君子画や,略筆の観音像を得意とするものが多かった。隠元より早く来日し,隠元を日本に招くのに貢献した逸然は観音像を手がけ,万福寺15代住持の大鵬正鯤(たいほうせいこん)(1691‐1774)の墨竹はなかでもすぐれている。長崎出身の僧鶴亭(?‐1785)はこうした墨戯を上方画壇にひろめる役割を果たした。…

※「大鵬正鯤」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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