ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「インノケンチウス12世」の意味・わかりやすい解説
インノケンチウス12世
インノケンチウスじゅうにせい
Innocentius XII
[没]1700.9.27. ローマ
ナポリ出身の第242代教皇(在位 1691~1700)。本名 Antonio Pignatelli。ローマのイエズス会学校(→イエズス会)で学び,ウルバヌス8世の治世で教皇庁に入る。1681年にインノケンチウス11世により枢機卿(→カーディナル)に叙任され,1691年7月に教皇に選出された。フランス王ルイ14世に対し,空位の司教座を国王が差配する権利を認めるかわりに,1682年インノケンチウス11世に宛てられたガリカニズム4ヵ条(→ガリア主義)を取り下げさせ,フランスと教皇座の間の紛争を解決した。静寂主義をめぐる論争では,1699年ルイ14世の主張に応じてカンブレー大司教フェヌロンの 23命題を断罪した。また,縁故主義や聖職者の職権濫用を禁じ,教皇領財政の整理を行なった。
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