ベーダ時代のインドで,全宇宙の秩序を保つ原理として考えられていたもの。サンスクリット語のリタṛtaの訳。天則は,天体の運行,自然界の秩序のみならず,祭式のありかた,人倫のありかたなど,いっさいに貫徹せんとするものである。神々も人間も,この天則を守る誓戒(ブラタvrata)を立てなければならず,これに絶対的に服従しなければならない。天則は,規則であると同時に,実現すべき真実であるとされる。《リグ・ベーダ》によれば,天則を守護する司法神はバルナである。バルナは,天則が守られているか否かを,多数のスパイを通じて細大もらさず把握するという。彼は,天則をいささかでも犯した者を,ただちに索縄をもって捕縛し,水腫(腹水)病を起こさせて処罰する。彼は,あらゆる虚偽(非天則)に対しては容赦ないが,天則を守る人には,健康と寿命,さらには死後の楽園を約束する。なお後世,天則はダルマ(法)の理念に取って代わられる。
執筆者:宮元 啓一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…バルナは宇宙の秩序と人倫を支配する司法神である。彼は天則リタ(アベスターのアシャに相当)の守護者である。彼は人々の行為を監視し,少しでもリタにそむく者がいたら,その罪人を捕縛し,腹水病にかからせる峻厳な神であるが,その半面,悔い改める者に対しては慈しみ深い。…
…ダルマが正しく守られないとき,人間社会は混乱に陥り,虚偽と不正義が横行するという。古いベーダの時代には,天則(リタ)というものが世界の秩序の根源だとされていたが,やがてその概念は,このダルマによって表現されるようになったのである。また,ベーダの権威を認めず,四つの階級と四つの生活段階を認めず,したがってまた,ベーダにのっとった祭式を認めない宗教,たとえば仏教やジャイナ教でも,ダルマということを非常に重視する。…
※「天則」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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