ジュンガル盆地(読み)ジュンガルぼんち

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジュンガル盆地」の意味・わかりやすい解説

ジュンガル(準噶爾)盆地
ジュンガルぼんち
Junggar pendi

中国北西部,シンチヤン (新疆) ウイグル (維吾爾) 自治区北部の盆地。北東をアルタイ (阿爾泰) 山脈,南をテンシャン (天山) 山脈にはさまれ,西にはカザフスタンとの国境の低山山地がある。面積は 38万 km2で中国第2の内陸盆地である。東から西にやや傾斜し,東端は標高 1000m,西部のエビノール (艾比諾爾) 湖では 189m。エルティシ (額爾斉斯) 河 (イルトゥイシ川) の谷とアラタウ (阿拉) 峠を通って,西方の湿気を含んだ風が吹込むため,テンシャン山脈以南よりは降水量が多い。中央部はグルバンテュンギュト (古爾班通古特) 砂漠であるが,移動性の砂丘は少く,多くは固定砂丘か半固定砂丘。周辺は大草原地帯をなし,ウマ,ヒツジ,ウシの牧畜が盛ん。南縁の沖積扇状地には,テンシャン山脈の雪どけ水によるオアシスが連なり,古くから中国と西アジアを結ぶ交通路の一部となって,天山北路の名で知られた。人民共和国成立後は多数の用水路が引かれ,シーホーツー (石河子) 市周辺やマナス (瑪納斯) 県では耕地が砂漠の縁辺にも広がっている。石油資源が豊富で,カラマイ (克拉瑪依) 市のように近代的な石油採掘と精製を行う都市が出現している。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジュンガル盆地」の意味・わかりやすい解説

ジュンガル盆地
じゅんがるぼんち / 準噶爾盆地

中国、新疆(しんきょう/シンチヤン)ウイグル自治区北部の盆地。北西はジュンガル界山、北東はアルタイ山脈、南は天山(てんざん/ティエンシャン)山脈に囲まれ、イリ・カザフ自治州と昌吉(しょうきつ/チャンチー)回族自治州にまたがる。東西約1000キロメートル、南北最大約500キロメートルの三角形をなす。東高西低の地形で、南東部では標高約1000メートル、西方のジュンガル界山山麓(さんろく)の低地にはウルングル湖、マナス湖などの湖があり、西端のエビノールでは湖面標高は189メートルにすぎない。盆地内は砂漠やゴビ(礫質(れきしつ)砂漠)が多い。盆地中央を占める4万8800平方キロメートルのグルバンテュンギュト砂漠はタクリマカン砂漠に次ぐ中国第二の砂漠である。植生が比較的多い、固定、半固定砂丘が大部分で、放牧地が広がっている。そのほか、南東にはウスゥ砂漠、北西にはブルチン砂漠などがある。山麓には集落やオアシスが分布し、解放軍などによる開墾地が広がり、牧畜のほかワタ、小麦の栽培が盛ん。

[駒井正一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

マイナ保険証

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...

マイナ保険証の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android