天水桶(読み)テンスイオケ

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

天水桶
てんすいおけ

単に天水ともよばれ、江戸時代、雨水(あまみず)(天水)を雨樋(あまどい)などから引き、防火用にためておいた桶。一般化したのは寛政(かんせい)(1789~1801)以降といわれ、屋根の上、家の軒先、町の辻角(つじかど)などに常置された。桶の大きさには、その桶の置かれる場所によって大小があり、町辻などには約六石(約108リットル)ほどの水が入る大桶が置かれ、その上には手桶を積んで、すぐ使用できるようにしてあった。明治以後、消防設備の近代化により、しだいに廃されたが、第二次世界大戦中には、防火用水が家々の軒先に置かれた。[宮本瑞夫]

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精選版 日本国語大辞典の解説

てんすい‐おけ ‥をけ【天水桶】

〘名〙 防火用に雨水を貯えておく大桶。昔は屋根の上・軒先・町かどなどに置き、雨樋(あまどい)の水を引いた。また、江戸時代、吉原では、大桶の上に小桶を杉形(すぎなり)に積んで、飾り物ともした。天水。
※舜旧記‐慶長一三年(1608)六月二一日「社頭之天水桶輪申付」

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