天球上の位置を表す座標。一般に、観測者を極(中心)とする球面極座標を用いる。より具体的にいうと、交点の一つCを天球上の基本方向とする。a、bのいずれか、たとえばaを経度的な座標軸(地球で例えれば赤道)にとり、Cを経度的座標の起算点、aを緯度的座標の起算点とする。
のように天球上で互いに直交する二つの大円a、bをそれぞれ基準大円とし、その天球座標は、天文学上、それぞれの研究や作業にもっとも便利なように設定される。今日もっとも多く用いられるのは、赤道座標、黄道座標、銀河座標、地平座標などである。
[大脇直明]
『横尾武夫編『宇宙を観る――現代天文学実験1 初級篇』(1989・恒星社厚生閣)』▽『地学団体研究会編『星の位置と運動』(1994・東海大学出版会)』▽『岩永道臣・樽美幸雄著『精説 天文航法 上巻』新訂版(1995・成山堂書店)』▽『斉田博著『天文の計算教室』新装版(1998・地人書館)』▽『長沢工著『日の出・日の入りの計算――天体の出没時刻の求め方』(1999・地人書館)』
…太陽,月,惑星,恒星などすべての天体を天球上にあるものと考えて,これらの位置や位置の変化を天球座標によって記述し研究する天文学の一分野である。球面天文学は天文学の諸分野の中でもっとも早期に発達した基礎的分野であり,とくにすべての天文観測に直結している。…
※「天球座標」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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