天文座標(読み)テンモンザヒョウ(その他表記)astronomical coordinates

デジタル大辞泉 「天文座標」の意味・読み・例文・類語

てんもん‐ざひょう〔‐ザヘウ〕【天文座標】

天球座標

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改訂新版 世界大百科事典 「天文座標」の意味・わかりやすい解説

天文座標 (てんもんざひょう)
astronomical coordinates

天体の位置を示すために用いられる座標観測計算上のつごうにより,太陽原点にとった日心座標地球の中心を原点にとった地心座標,それぞれについて赤道基準にとった赤道座標黄道を基準にした黄道座標などが使われる。さらに観測者から見て地平線天頂を基準にした地平座標も使用される。銀河系の研究のために銀河の平均面を基準にとった銀河座標も使われることが多い。

 これとは別に地球上での経度緯度にも使用される。地上の測量により幾何学的に求めた経度,緯度を測地座標と呼び,それに対して恒星などを使って天文観測により決定した経度,緯度を天文座標という。この場合の天文経緯度はその観測地点の垂直線(または鉛直線)を基準にしているため,地下の物質の分布により鉛直線の方向が場所によって変化し,天文座標と測地座標は必ずしも一致しない。日本ではこの差が20″にも達するところがある。
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百科事典マイペディア 「天文座標」の意味・わかりやすい解説

天文座標【てんもんざひょう】

天体の位置を示すために用いられる座標。太陽を原点にとった日心座標,地球の中心を原点にとった地心座標,赤道面を基準にとった赤道座標,天の黄道の面を基準にとった黄道座標などがあり,観測や計算の便宜に応じて使い分けられる。このほか観測者から見て地平線や天頂を基準にした地平座標や銀河の平均面を基準にした銀河座標もある。

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