中国における皇帝の父の尊称。上皇。太上とは最上の意。秦の始皇帝が皇帝を称したとき亡父の荘襄王を追尊して太上皇としたことに始まる。漢以後,父の生存中に太上皇の尊号をたてまつるようになった。漢の高祖は父との関係を君臣関係で律するか父子関係で律するかという問題が起こったとき,自分が天下を得たのも父の教えによるものであるとして,父に太上皇の尊号をたてまつった。後世になると,皇帝が譲位して太上皇を称するようになる(北魏献文帝,唐高祖・睿宗・玄宗など)。いずれも皇太子の側に実権が移ったことが原因で,唐高祖が即位前,隋の煬帝(ようだい)の孫侑(ゆう)を皇帝に頂き,煬帝に太上皇をたてまつったのはその変形である。これらと反対に,皇帝の父として自己の権力を絶対化するために(北周宣帝),あるいは後継者を生前に決定しておくために(後涼呂光),譲位して太上皇を称する場合もある。また太上皇の制度は日本の天皇制でも採用された。
→上皇
執筆者:谷川 道雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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