太物(読み)フトモノ

デジタル大辞泉 「太物」の意味・読み・例文・類語

ふと‐もの【太物】

絹織物呉服というのに対して、綿織物麻織物など太い糸の織物総称
衣服にする布地の総称。反物たんもの
[類語]布地生地服地反物呉服

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精選版 日本国語大辞典 「太物」の意味・読み・例文・類語

ふと‐もの【太物】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 絹織物を呉服というのに対して ) 綿織物・麻織物など太い糸の織物の総称。
    1. [初出の実例]「呉服・太物、現金懸け値なし」(出典:歌舞伎・青砥稿花紅彩画(白浪五人男)(1862)三幕)
  3. 衣服にする布地の総称。一反に仕上げてある織物。たんもの。
    1. [初出の実例]「老中江進達〈略〉通町組、小間物・太物・荒物・塗物・打物問屋」(出典:拾要抄三・嘉永元年(1848)四月(古事類苑・産業二二))

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「太物」の意味・わかりやすい解説

太物
ふともの

絹織物に対しての綿織物をさすことばとして生まれたもので、絹の呉服・巻物板物は薄地織物であるが、木綿の織物は絹に比べ厚地であるために、太物といい、それを扱う木綿問屋を太物問屋とよんだ。ときには麻織物をも含めてさしたが、現在ではこの用語はあまり使われない。

[角山幸洋]

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世界大百科事典(旧版)内の太物の言及

【呉服屋】より

…呉服を売買する商人およびその店。呉服はもともとは絹織物を指し,綿織物,麻織物の太物(ふともの)と区別されていたが,現在では着尺(きじやく)織物の総称となっている。17世紀初めに京都,そして江戸,大坂などに,大名,武家や町人を顧客として生まれ,江戸では初めは京都の呉服商人の立売りであった。…

※「太物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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