太陽向点(読み)タイヨウコウテン(その他表記)solar apex

デジタル大辞泉 「太陽向点」の意味・読み・例文・類語

たいよう‐こうてん〔タイヤウカウテン〕【太陽向点】

天球面における、太陽自身の固有運動太陽運動)が指し示す点。ヘルクレス座領域にある。

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改訂新版 世界大百科事典 「太陽向点」の意味・わかりやすい解説

太陽向点 (たいようこうてん)
solar apex

太陽は太陽系のすべての天体を引きつれてヘルクレス座の方向に約20km/sの速さで運動している。この運動は太陽近傍の数千個の恒星集団局部恒星系)の速度重心に対する運動であって太陽運動と呼ばれる。そして太陽運動の方向にあたる天球上の点を太陽向点といい,赤経271°,赤緯+30°である。太陽運動によって他の星々はそれと反対方向に系統的に動いているように見える。多数の星の固有運動と視線速度を観測してそれぞれ空間速度を求め,次に星全体の速度重心(速度の平均値)を求めれば,それが視差運動だからその方向を逆にして太陽運動が,したがって太陽向点が決定される。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「太陽向点」の意味・わかりやすい解説

太陽向点
たいようこうてん

太陽が近傍の恒星たちに対して運動している方向。これは恒星たちの固有運動や視線速度を測定することによって求められる。恒星は近傍の星々に対してそれぞれ無秩序に運動しているが、太陽も秒速19.5キロメートルほどで赤経18時、赤緯30度の方向に運動している。これが太陽向点で、ヘルクレス座の東部にあたる。

[村山定男]

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百科事典マイペディア 「太陽向点」の意味・わかりやすい解説

太陽向点【たいようこうてん】

恒星空間における太陽系の運動方向。位置は赤経18時(270°),赤緯+30°で,ヘルクレス座とこと座の境付近にあり,太陽系はこの方向に毎秒約20kmの速度で進む。このためすべての恒星は反対方向に動いているように見える。天球上太陽向点と正反対の点を太陽背点という。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「太陽向点」の意味・わかりやすい解説

太陽向点
たいようこうてん

向点」のページをご覧ください。

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