(読み)ナ

デジタル大辞泉 「奈」の意味・読み・例文・類語

な【奈】[漢字項目]

[音](呉) [訓]いかん いかんぞ
学習漢字]4年
いかん。どうして。どの。「奈辺
梵語外国語の音訳字。「奈翁ナポレオン)・奈落
難読奈何いかん

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「奈」の読み・字形・画数・意味


9画

(異体字)奈
人名用漢字 8画

[字音] ダイ・ナイ・ナ
[字訓] からなし・なんぞ

[説文解字]

[字形] 形声
声符は示(じ)。ただ声が合わず、声の由るところが知られない。卜文に(さい)の字があるが、ともに別の字である。〔説文〕六上に「果なり」とあって、からなしをいう。〔書、召誥〕に「何(いかん)ぞ」とあり、「如何」と同じ語。奈は俗字である。

[訓義]
1. からなし。
2. いかん、いかんぞ、いかんせん、なんぞ。

[古辞書の訓]
名義抄 カラナシ 〔立〕奈 ムラガル・イカン・チカシ・ナントモス・スケ/ ヲフ

[声系]
〔説文〕三下に隷を声の字とするが、その篆文字形は祟(すい)に従い、その祟(たたり)をなす呪獣の尾をもつ形である。「附するなり」と訓し、その祟を他に転移することをいう。その転移されたものを神の徒隷として献じた。ただと祟とは声義においてわたるところがなく、隷を声とする〔説文〕の説は、後起の字形によって誤り説くものである。ただ奈が大に従うのは意味のあることと思われ、奈natは大datとともに舌頭音、いわゆる旁紐の字である。

[語系]
nat、如njiaは声近く、〔礼記、曲礼下〕「何(いかん)ぞ稷(しやしよく)を去るや」は如何と同義(那)naも同系の語で、「なんぞ」とよむ。〔経伝釈詞〕に「何の合聲なり」という。語彙は奈字条参照。

[熟語]

[下接語]
・嘉・甘・杏・紫・朱・赤・丹・白・碧・蜜・無


常用漢字 8画

(異体字)
9画

[字音] ナ・ダイ・タイ・ナイ
[字訓] いかん・なんぞ

[説文解字]

[字形] 形声
正字は(だい)。〔説文〕六上に「果なり」とあって果木の名とする。奈はその俗字とされるが、いまの字形には疑問とすべきところがある。声義の上からいえば、(那)と同じく(ぜん)系統の字かと思われるが、確かめがたい。〔広雅、釈言〕に「なり」とあり、王念孫の〔証〕に何を単言したものであるという。「那何」はまた「奈何」に作り、〔礼記、曲礼下〕に「奈何(いかん)ぞ稷(しやしよく)を去るや」「奈何ぞ宗を去るや」のようにいう。果木のとは別義の字と思われる。

[訓義]
1. いかん、いかんせん。
2. なんぞ、なんすれぞ。
3. 木の名。
4. 耐(たい)と通じ、忍び耐える。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕奈 カラナシ 〔立〕奈 ムラガル・イカン・チカシ・ヲコタル・ナン・トモス・スケ

[語系]
奈natは如njiaと声近く、「奈何」はまた「如何」に作る。na、(若)njiakも声近く、「那何」「若何」のようにもいう。

[熟語]
奈何奈久奈心奈煩奈河・奈落
[下接語]
何奈・不奈無奈

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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