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契約理論 けいやくりろん contract theory

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知恵蔵2015の解説

契約理論

企業統治、公的規制、法律と制度などを分析するゲーム理論を用いた、ミクロ経済学の一分野。情報の不完全性を分析する伝統的契約理論と、契約の不完備性を分析する新しい契約理論とに分けられる。前者の伝統的契約理論は、アドバース・セレクションや、モラルハザードを予防するための最適契約を分析する。例えば、リスクの高い人だけが保険市場に参加したり、保険のためにかえって事故率が上昇したりする現象を防止するための自己選抜契約などが挙げられる。後者の新しい契約理論は、シカゴ大学のR.コースによって提唱され、取引費用の観点から、すべての状態を想定した条項を明文化できないような契約を分析する。例えば、ある自動車メーカーエンジンにだけ利用される部品を調達する系列企業のように、投資や技能が関係特殊的な場合、契約を結んだ後に無理難題を押し付けられることがある。そのような事後的な機会主義的行動をホールドアップ問題という。新しい契約理論はこの問題を避けるための、所有権の配分や成果の分配を分析する。

(依田高典 京都大学大学院経済学研究科教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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