奥山 貞吉(読み)オクヤマ テイキチ

新撰 芸能人物事典 明治~平成 「奥山 貞吉」の解説

奥山 貞吉
オクヤマ テイキチ


職業
ピアニスト 作曲家 編曲

生年月日
明治20年 3月20日

出生地
東京府 日本橋区茅場町(東京都)

学歴
東洋音楽学校(東京音楽大学)卒

経歴
東洋音楽学校を卒業後、大正時代はほとんど外国航路の船の上で過ごし、船内のバンドでダンスミュージックを演奏。昭和に入ってからは帝国ホテルに出演していたハタノ・オーケストラに参加。傍ら、開局まもない東京中央放送局(NHK)で内外楽曲の編曲に当たり、この分野では草分け的存在として知られた。浅草オペラ全盛期には金竜館の楽長を務め、のち浅草時代の仲間であった佐々紅華の手引きでコロムビアの専属作曲家となり、「山の人気者」「船頭可愛や」「下田夜曲」「露営の歌」「皇国の母」「父よあなたは強かった」「空の勇士」「暁に祈る」「海の進軍」など同社の黄金期に生み出された数多くの名曲を編曲。また、はじめて録音の際のオーケストラにアコーディオンを取り入れるなど、レコード歌謡曲における編曲の基本スタイルを打ち立てた。作曲家としては昭和4年大河内伝次郎主演の日活映画「沓掛時次郎」の主題歌「沓掛小唄」を手がけ、股旅小唄の第一号といわれ大ヒット。5年の松竹映画「いいのね、誓ってね」の主題歌となった「ザッツオーケー」もヒットした。一方、日本で最初スライド・トロンボーン奏者としても名を残している。他の作品霧島昇奥山彩子「日本の妻」、菊池章子「乙女道中」、伊藤久男・二葉あき子「お島千太郎旅唄」などがある。

没年月日
昭和31年 6月2日 (1956年)

家族
娘=奥山 彩子(コロムビア歌手)

出典 日外アソシエーツ「新撰 芸能人物事典 明治~平成」(2010年刊)新撰 芸能人物事典 明治~平成について 情報

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