沓掛時次郎(読み)クツカケトキジロウ

デジタル大辞泉 「沓掛時次郎」の意味・読み・例文・類語

くつかけときじろう〔くつかけときジラウ〕【沓掛時次郎】

長谷川伸戯曲。3幕。昭和3年(1928)、「騒人」誌に発表。同年12月、帝国劇場にて初演歌舞伎や映画化作品もある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「沓掛時次郎」の意味・わかりやすい解説

沓掛時次郎
くつかけときじろう

長谷川伸(はせがわしん)原作の三幕戯曲。1928年(昭和3)6月『騒人(そうじん)』に発表、11月柳蛙(りゅうあ)書房より刊行。同年12月帝国劇場で新国劇沢田正二郎(しょうじろう)によって初演された。『一本刀土俵入』『瞼(まぶた)の母』などと並ぶ、いわゆる「股旅(またたび)物」の傑作で、時次郎堅気を夢み哀調のこもった節回しで小諸追分(こもろおいわけ)を流してゆく場面は、大衆のなかのシンボルとして存在するようになり、新作歌舞伎(かぶき)の演目として欠かせないものとなっている。

[藤野泰造]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「沓掛時次郎」の解説

沓掛時次郎 くつかけ-ときじろう

長谷川伸の同名の戯曲の主人公
信濃(しなの)(長野県)沓掛宿博徒。一宿一飯の義理から博徒の三蔵をきり,その身重の女房きぬのために足をあらってつくそうとする。原作は昭和3年「騒人」に発表され,以後股旅物の傑作として新国劇や新作歌舞伎で上演,映画化もされて人気をよんだ。

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