奨(漢字)

普及版 字通 「奨(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 13画

(旧字)奬
人名用漢字 14画

(異体字)獎
15画

[字音] ショウ(シャウ)
[字訓] すすめる・たすける

[説文解字]

[字形] 形声
旧字は奬に作り、將(将)(しよう)声。將は牲肉を奨(すす)めて祭る形。〔説文十上に「犬を嗾(そそのか)して、之れを(はげ)ますなり」とするが、將の繁文とみるべき字である。〔左伝、定四年〕「以て天衷を奬(な)す」は成就、〔国語、周語中〕「以て王室を奬(たす)く」は「将(たす)く」の意である。字を〔説文〕に犬に従う字とするが、下部は廾(きよう)に従うものであろう。

[訓義]
1. すすめる、肉をすすめる、肉をすすめて祭る。
2. たすける、たすけなす。
3. 妝と通じ、かざる。
4. 犬をけしかける声。

[古辞書の訓]
名義抄〕奬 ススム・ミチビク・ハゲマス・ナル 〔字鏡集〕奬 ミチビク・ナス・ナル・オホイナリ・ツクロフ・ハゲマス・ヲシフ・ススム・ホム・タスク

[語系]
奬・將tziangは同声。將は肉を供薦する意。奬の下部は犬ではなく、廾であろう。〔説文〕に犬を嗾すというのは、dzang「(みだ)りに彊(つよ)き犬なり」に近づけた解であろうが、〔方言、六〕に「奬は欲なり。關よりして西、秦・晉のには、相ひむるに聳(しよう)と曰ひ、或いは奬と曰ふ」とあって、奬は犬を嗾かす語ではなく、勧奨する意である。〔説文〕は字を犬に従うものとして、に近い解をなしたものと思われる。

[熟語]
奨異奨慰・奨学奨勧・奨奨許・奨奨訓奨激・奨券・奨実・奨順・奨賞・奨状奨飾・奨進・奨率・奨奨嘆・奨抜・奨目奨諭奨誘奨誉奨励・奨・奨労
[下接語]
恩奨・嘉奨・勧奨・矜奨・勤奨・訓奨・高奨・殊奨・推奨・崇奨・清奨・選奨・尊奨・提奨報奨褒奨・明奨・優奨

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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