日本大百科全書(ニッポニカ) 「委託放送事業者」の意味・わかりやすい解説
委託放送事業者
いたくほうそうじぎょうしゃ
受託委託放送制度(1989~2011年)のもとで、BS(放送衛星)放送とCS(通信衛星)放送において、放送設備を保有せず、放送番組の制作、編集を主体とした事業者のこと。委託放送業務にかかわる事業者として総務大臣の認定を受けた番組提供者であり、放送局や放送設備の運用を専門とする受託放送事業者に番組の放送を委託することによって放送を行っていた。放送番組の編集主体と放送局の管理運営主体となる事業者が分けられた受託委託放送制度は、CS放送の開始を踏まえて1989年(平成1)の電波法および放送法の改正によって開始され、2011年(平成23)の放送法改正に伴い廃止。新たな制度へ移行した。
新制度のもとでは、BS放送および東経110度CS放送(BS放送と同じ東経110度に打ち上げた通信衛星を利用した放送)に携わってきた委託放送事業者は、地上波放送と同じ基幹放送に分類され、衛星基幹放送事業者となった。放送番組は基幹放送局提供事業者に委託して放送されている。また、基幹放送以外の衛星放送に携わるものは衛星一般放送事業者として放送番組を制作、編集し、通信衛星を管理運用する電気通信事業者から電気通信設備の提供を受けて放送が行われることになった。
[編集部]