中国、山西(さんせい/シャンシー)省東部、平定県の北東、太行(たいこう/タイハン)山脈中の要地。「ろうしかん」とも読まれる。一名葦沢関(いたくかん)、古くは承天塞(しょうてんさい)といった。娘子関の名は、付近の妬女祠(とじょし)にちなむとか、唐代の女傑、平陽公主の駐兵地にちなむとか伝えられる。古来、河北の勢力がこの地を破れば、北辺の要地である太原を制圧し、山西の勢力がこれを収めれば河北を得るといわれる軍事上の要地である。唐の則天武后の駐地、遼(りょう)の南侵期の争奪地となり、歴代戍兵(じゅへい)を置いた。日中戦争でも1937年(昭和12)夏の激戦地であった。
[星 斌夫]
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…(2)晋東山地 おもに東部と南東部にわたり,太行山脈を中心として北東から南西へ恒山,五台山,繫舟(けいしゆう)山,太岳山,中条山の諸山脈が走っている。すべて標高1500m以上で,山間に長治,平定,晋城,寿陽等の盆地が散在し,太行山脈中には娘子関(じようしかん),天井関(てんせいかん)(太行関)など,山西高原から華北平原に通ずる重要な峠道がある。北の内長城線には雁門関(がんもんかん),平型関等の要害があり,とくに雁門関の南北では気候と農作物に大差がみられる。…
※「娘子関」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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