太行山脈(読み)タイコウサンミャク

デジタル大辞泉 「太行山脈」の意味・読み・例文・類語

たいこう‐さんみゃく〔タイカウ‐〕【太行山脈】

中国華北平原黄土高原の境を南北に走る山脈河北省北西部から南西走して山西省南部に至る。延長約400キロ。タイハン山脈。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「太行山脈」の意味・読み・例文・類語

たいこう‐さんみゃくタイカウ‥【太行山脈】

  1. 中国の山西省の東境に沿って南北に走る山脈。西側は山西台地にゆるく連なり、東側断層崖となって河北平原に続く。娘子関(じょうしかん)など多く関門がある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「太行山脈」の意味・わかりやすい解説

太行山脈【たいこうさんみゃく】

中国,山西省晋城県南方の太行山を中心に北東〜南西に約400km延びる山脈で,山西省と河北・河南両省の境界をなし,張家口付近で大興安嶺興安嶺)に連なる。平均標高1000m内外で,最高峰は陽曲山(2059m)。東側は大規模な断層崖をなし,山麓に多くの扇状地をつくって華北平原に臨む。
→関連項目華北平原【けい】台平定

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「太行山脈」の意味・わかりやすい解説

太行山脈
たいこうさんみゃく / タイハンシャン

中国、華北平原と山西高原の境を南北に走る山脈。北は河北省北西部の燕山(えんざん)山地より発し、南西走して山西省北部に至る恒山(こうざん)、五台山を分岐し、南は黄河北岸に至る。古生代以前の古い地層からなり、開析はよく進んでいる。一般に北のほうが高度が高く、また西に緩く東に急な傾動性の地形をもつ。標高は1000~2000メートルと高くはないが、東側が急峻(きゅうしゅん)な断層崖(だんそうがい)をなし、東シナ海からの季節風を遮るなど、気候上、中国北部に与える影響力は大きい。歴史的にも、都のある華北平原の西の障壁として東西を区分する役割を果たし、第二の長城とみなされる一方、山脈を横断する河川や峠道は東西交通の関門となった。これらの峠道のなかで、井陘(せいけい)、飛狐(ひこ)などの八路は太行八陘(たいこうはっけい)とよばれ、古来有名である。また東西の山麓(さんろく)は、石炭、鉄鉱、硫黄(いおう)など鉱物資源の宝庫である。

[秋山元秀]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「太行山脈」の意味・わかりやすい解説

太行山脈 (たいこうさんみゃく)
Tài háng shān mài

中国の山西・河北の省境にある山脈。北東から南西にのび,山西・河南の省境に達する。平均標高1000~1500m。西の山西高原部と東の河北平原部をわかつ。滹沱(こだ)河や沁(しん)河など黄河や海河の支流が山脈を横ぎり,古来,〈太行八陘〉とよばれる井陘(せいけい)や軍都陘などの天然の隘道が通り,平型関,娘子関などの関があり,天険の関として〈第二の長城〉と称せられた。東麓には安陽の殷墟や平山の中山国都跡などがあり,抗日戦争期には革命根拠地の一つとなった。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

旺文社世界史事典 三訂版 「太行山脈」の解説

太行山脈
たいこうさんみゃく
Tàiháng Shānmài

中国華北,黄土高原の東縁を南北に連なる山脈
海抜1000m前後で,各所に峠があり,河川もこの山脈を貫流する。石炭の産地として早くから知られ,宋代には開封に炭煤務が置かれた。

出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「太行山脈」の意味・わかりやすい解説

太行山脈
たいこうさんみゃく

「タイハン(太行)山脈」のページをご覧ください。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の太行山脈の言及

【河北[省]】より

…中国最古の地理書〈禹貢〉(《書経》の中の一編)では,九州のうち冀(き)・兗(えん)2州に属するが,大部分は冀州の地域だったので,今も冀省と呼ばれることがある。
[自然]
 南東に開けた平たんな河北平原では,西に太行山脈,北に燕山山脈があるので,河流はだいたいに西から東への方向をとって渤海湾に注ぐ。この平原は黄河(かつては本省の南部を通って渤海湾に注いでいたことがある),海河,灤河(らんが)などによってつくられた沖積地で,大部分は標高50m以下である。…

※「太行山脈」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android