サリュート(読み)さりゅーと(英語表記)Салют/Salyut

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サリュート」の意味・わかりやすい解説

サリュート
Salyut

ソ連軌道科学ステーション。最大直径 4m,長さ 20m,容積約 100m3,重量約 20tである。 1971年4月 19日に打上げられ,近地点 200km,遠地点 222km,傾斜角 51.6度の軌道に乗った。4日後に V.A.シャタロフ大佐,A.S.エリセイエフ技師,N.ルカビシニコフ技師の乗ったソユーズ 10号が打上げられ,5時間半にわたってドッキング。6月6日には G.T.ドブロボルスキー船長,V.N.ボルコフ技師,V.I.バツァーエフ技師の乗ったソユーズ 11号がドッキングし,サリュート移乗。小型ではあるが初の有人宇宙ステーションとして,23日間にわたって軌道飛行を続けた。しかし 11号の乗員3名は帰還途中の事故で,着陸したとき死亡していた。サリュート1号は 71年 10月 11日に消滅。その後2号 (73.4.3.) ,3号 (74.6.25.) ,4号 (74.12.26.) ,5号 (76.6.22.) ,6号 (77.9.29.) ,7号 (82.4.19.) が打上げられ,各種の実験に成功した。 86年以降は新型の宇宙ステーション「ミール」がその機能を引継いだ。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「サリュート」の意味・わかりやすい解説

サリュート
さりゅーと
Салют/Salyut

ソ連の有人宇宙ステーション。1971年4月地球周回軌道に打ち上げられたサリュート1号は直径4メートル、長さ11メートル、重さ18.5トン。同年6月に打ち上げられたソユーズ11号がこれにドッキングし、サリュートに乗り移った船長たちは23日間滞在して各種の実験を行った。1977年9月に打ち上げられたサリュート6号では、ソユーズ29号と31号が前後にドッキングして、将来における大型宇宙ステーション建設の可能性を示し、燃料食糧の宇宙補給にも実績をあげた。サリュートは1982年4月に打ち上げられた7号まであるが、事故や故障が相次ぎ、1985年12月にはステーション滞在メンバーが撤退、翌1986年ソユーズT15号がサリュート7号にドッキングし、研究資材や資料を回収した。

[黒田泰弘]

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