中国、唐代初期の仏書。2巻。浄土教祖師である道綽(どうしゃく)の著。彼が609年(隋(ずい)、大業5)浄土教に回心して以後の撰述(せんじゅつ)。12章よりなり浄土三部経と曇鸞(どんらん)の著書を経緯として、浄土往生を鼓吹し、日本の法然(ほうねん)(源空)に甚大な影響を与えた善導(ぜんどう)に対して先駆的役割を果たした。教は時・機と一致すべきであるという観点にたって、末法時における、煩悩(ぼんのう)を備えた万人に適した出離生死の道を探究し、仏教を聖道(しょうどう)と浄土の2門に分け、教時機三者の一致しない聖道門よりも、阿弥陀仏(あみだぶつ)の本願に基づく念仏によって浄土に往生しうるところの、教時機三者の一致する浄土門に帰入すべきことを論述している。
[藤堂恭俊]
『山本仏骨著『道綽教学の研究』(1959・永田文昌堂)』
…曇鸞の浄土教が《無量寿経》を中心とする傾向が強かったのに対し,隋・唐初に活躍した道綽と,その門下の善導とは,《観無量寿経》を中心に説法教化した。道綽の主著たる《安楽集》は《観無量寿経》の講義説法を集録した綱要書とされている。善導は,国都の長安に出て民衆を教化し,《観無量寿経疏》を著して曇鸞,道綽の浄土教義を整然と組織化するとともに,〈浄土変相〉などの絵画を描いた。…
…しかし,曇鸞の浄土教が《無量寿経》を重視する傾向が強かったのに対し,廃仏による還俗を強制され末法の時代が到来したと実感した道綽は,王舎城の悲劇に始まるという劇的構成をもち在家者の浄土往生の具体的方法を順序だてて提示する《観無量寿経》を重視して説法教化した。主著《安楽集》は《観無量寿経》の解説書である。彼の教義は門下の善導に受け継がれ大成される。…
※「安楽集」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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