安福殿(読み)アンプクデン

デジタル大辞泉 「安福殿」の意味・読み・例文・類語

あんぷく‐でん【安福殿】

平安京内裏十七殿の一。紫宸殿ししんでん南西にあり、侍医薬生やくしょうの控所などがあった。

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精選版 日本国語大辞典 「安福殿」の意味・読み・例文・類語

あんぷく‐でん【安福殿】

  1. 大内裏舎殿の一つ。承明門内の西、紫宸殿西南校書殿の南にある殿舎で、侍医の宿直所であった。薬殿(くすどの)。西殿。
    1. [初出の実例]「安福殿前、張幄二宇」(出典内裏式(833)八日賜女王祿式)
    2. 「伊与内侍、播磨など安福殿あけさせてかぞへ侍りしに」(出典:弁内侍日記(1278頃)建長四年)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「安福殿」の意味・わかりやすい解説

安福殿
あんぷくでん

平安宮内裏の殿舎の名。紫宸殿(ししんでん)南庭の西にあり、東の春興殿に対する。檜皮葺(ひわだぶ)きで、柱間(はしらま)が南北7間、東西2間の母屋(もや)の東西2面(あるいは東西北の3面)にひさしがある東向きの建物である。母屋は、北側の天皇に仕える侍医・薬生が伺候(しこう)する薬殿(くすどの)、南側の庫とに分かれている。西廂(にしびさし)には主水司(もんどのつかさ)・造酒司(みきのつかさ)の官人が泊まる宿所がある。東廂は正月18日の賭弓(のりゆみ)などの儀式の際には、座が設けられた。

[吉田早苗]

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