宏善寺(読み)こうぜんじ

日本歴史地名大系 「宏善寺」の解説

宏善寺
こうぜんじ

[現在地名]町田市本町田

日蓮宗。久住山善立院と号する。本尊三宝祖師。旧跡井出の沢いでのさわにあり、文永八年(一二七一)日蓮が佐渡配流途次に休息した真言宗の小庵観音堂を改宗させたという。暦応元年(一三三八)現在地に移ったと伝え、永享八年(一四三六)の永享の法難により日蓮伝授の板本尊の所在や開山日海(大沢氏)などの記録も不明になったとされる(「宏善寺諸事覚書」寺蔵文書)。甲斐身延山久遠くおん寺一一世貫主行学院日朝の書状(本覚寺文書)に「武州出沢并恩田方」は日朝の師日出(本覚寺開山)布教開闢し、門徒が連続していると記される。一六世紀後半には、井出の沢付近を源流とする恩田おんだ川沿いの日蓮宗諸寺とともに宗勢維持の一翼を担っていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android