定める(読み)サダメル

デジタル大辞泉 「定める」の意味・読み・例文・類語

さだ・める【定める】

[動マ下一][文]さだ・む[マ下二]
決定する。きめる。「この地を都と―・める」
よりどころや従うべきものとしてきめる。制定する。「法の―・めるところに従う」「憲法を―・める」
はっきりさせる。「態度を―・める」
落ち着かせる。安定させる。「住居を―・める」「身を―・める」
静める。治める。「天下を―・める」
評定する。議論する。
「しばし舟をとどめて、とかく―・むることあり」〈土佐
決める[用法]
[類語]決める決まる決する定まる固まるまとまる決定する確定する決着がつく

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「定める」の意味・読み・例文・類語

さだ・める【定】

  1. 〘 他動詞 マ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]さだ・む 〘 他動詞 マ行下二段活用 〙 物事や心を一つの状態、場所に落ち着かせて動かないようにする。
  2. 決める。決定する。
    1. [初出の実例]「其の兵士(ひと)は、一国毎に、四つに分ちて其の一つを点(サタメ)て、武(つはもの)の事を習は令めよ」(出典:日本書紀(720)持統三年閏八月(北野本訓))
    2. 「下々はいやしき物に定(サダ)めて、上手につかひなすが奥がたの利発なり」(出典:浮世草子・西鶴織留(1694)五)
  3. (物事を決定するために)議論する。評議する。
    1. [初出の実例]「しばしふねをとどめて、とかくさだむることあり」(出典:土左日記(935頃)承平五年二月一一日)
  4. 判定する。裁定する。評価する。
    1. [初出の実例]「茲の大罪を以ては、放し還(つかは)すこと合はず。其の罪を断(サタム)」(出典:日本書紀(720)敏達三年七月(前田本訓))
    2. 「近代の堂上の名家の書を始にみ習ふて、〈略〉ついには貫之・道風などをも定むる事とぞ」(出典:随筆・胆大小心録(1808)九〇)
  5. 安定させる。一定させる。不変のものとする。多く、下に否定の表現を伴う。
    1. [初出の実例]「風の上にありかさだめぬちりの身は行方もしらずなりぬべら也〈よみ人しらず〉」(出典:古今和歌集(905‐914)雑下・九八九)
  6. 平定する。治める。鎮(しず)める。
    1. [初出の実例]「天の八十毘羅訶〈此の三字は音を用ゐよ〉を作り、天神地祇(あまつかみくにつかみ)の社を定奉(まつ)りたまひき」(出典:古事記(712)中)

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