固まる(読み)カタマル

デジタル大辞泉 「固まる」の意味・読み・例文・類語

かたま・る【固まる】

[動ラ五(四)]
やわらかい物や液状の物、または粒状の物が、しだいに固くなる。固形状になる。凝固する。「粘土が―・る」「血が―・る」
1か所に集まる。寄り合う。一団となる。「五人が―・って走っていく」「何軒かの店が―・っている」
しっかりしたものになる。確かになる。定まる。「事業の基礎が―・る」「考えが―・る」
他のことにはまったく関心を示さず、そのことにだけ夢中になる。こりかたまる。「不信感で―・っている人」
考えなどに柔軟さがなくなり、進歩・発展が止まる。「頭が―・らないうちに本をたくさん読む」
緊張してからだがこわばる。気持ちが縮こまる。
「身の毛もぞっと縮まる程怖ろしく、―・って、様子を窺っていると」〈円朝怪談牡丹灯籠
コンピューターが機能も作動もせず、キーボードマウスからの入力を受け付けなくなること。ハングアップフリーズ
[類語](1凝固する凝結する固結する固化する膠化こうかするこごる強張る固める踏み固める地固めする凝り固まる根締め地形地ならし整地/(2集まるまとまる寄り合う群がる集う群れる駆け付ける殺到すだくたかる参集押し寄せる押し掛ける詰め掛ける揃う寄り集まる・寄り集う・馳せ集まる・馳せ参ずる馳せつける勢揃い集合集結オンパレード/(3定まる決まるまとまる出来上がる確定する

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精選版 日本国語大辞典 「固まる」の意味・読み・例文・類語

かたま・る【固】

  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
  2. やわらかいものや液状、粒状のものが、かたくなる。凝固する。
    1. [初出の実例]「精(くは)しく妙(たへ)なるが合(あ)へるは搏(あふ)ぎ易(やす)く、重(かさ)なり濁(にご)れるが凝(こ)りたるは場(カタマリ)(かた)し」(出典:日本書紀(720)神代上(水戸本訓))
    2. 「あられ乱れて 霜こほり いやかたまれる 庭のおもに〈凡河内躬恒〉」(出典:古今和歌集(905‐914)雑体・一〇〇五)
  3. 物事の状態、基礎、また、意見、決意などが確実なものになる。しっかりと定まる。固定する。安定する。
    1. [初出の実例]「春宮とかたまりて皆おはしましつればこそ、いかがと見奉れ」(出典:栄花物語(1028‐92頃)楚王の夢)
    2. 「是は太夫さま、御一生のかたまる時節、いそいそ遊ばせ」(出典:浮世草子・傾城禁短気(1711)一)
  4. 緊張してかたくなる。けおされて小さくなる。
    1. [初出の実例]「今様あらばや、只今面白かりなんかし、と勧むれば、かたまり居たり」(出典:梁塵秘抄口伝集(12C後)一〇)
  5. 考え方などが固定して融通がきかなくなる。ある状態から簡単に変われなくなる。
    1. [初出の実例]「他の偏屈に凝結(カタマッ)て居る人より幾等の徳を得るかしれません」(出典:開化問答(1874‐75)〈小川為治〉初)
  6. 一つの物事に熱中して、他を顧みなくなる。一つの事を深く信じる。こりかたまる。
    1. [初出の実例]「儒家の一辺にかたまりて、ちいさい見を破ぶらうとて云ぞ」(出典:史記抄(1477)一一)
  7. 一つにまとまる。一か所に集まる。また、大勢が団結する。
    1. [初出の実例]「おほくの髑髏(どくろ)どもが、ひとつにかたまりあひ、坪の内にはばかる程になって」(出典:平家物語(13C前)五)
    2. 「隅の方に三人かたまって、何かつるつる、ちゅちゅ食ってた連中が」(出典:坊っちゃん(1906)〈夏目漱石〉三)

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IT用語がわかる辞典 「固まる」の解説

かたまる【固まる】

《俗語》コンピューターが操作を受け付けなくなったり、動作が止まってしまって動かなくなったりする。ソフトウェアの不具合やハードウェア誤作動など、さまざまな原因が考えられる。◇「凍る」「フリーズする」「ハングアップする」ともいう。類似する「クラッシュ」という表現は、処理中のデータが破損したり、動作中の機器が故障したりすることを指し、「暴走」という表現は、コンピューターやアプリケーションソフトが異常な動作を続けて制御不能に陥ることを指す。

出典 講談社IT用語がわかる辞典について 情報

盆栽用語集 「固まる」の解説

固まる

新芽が生長し、枝になる(生長しきって伸び止まる)ことを指す。同じように新葉の生長も指す。木質化(現象的には芽の緑の部分が茶褐色に変わっていくこと)とは少しニュアンスが異なる。

出典 (株)近代出版盆栽用語集について 情報

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