定まる(読み)サダマル

デジタル大辞泉 「定まる」の意味・読み・例文・類語

さだま・る【定まる】

[動ラ五(四)]
決定する。きまる。「方針が―・る」「運命が―・る」「心が―・る」
明らかになる。はっきりする。「話の焦点が―・る」
落ち着く。安定する。「評価が―・る」「―・った収入
治まる。静まる。「天候が―・る」
[類語]決まる落ち着く固まる決するまとまる決定する確定する決着がつく

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「定まる」の意味・読み・例文・類語

さだま・る【定】

  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
  2. [ 一 ] 物事が一つの状態に落ち着いて動かないようになる。
    1. 決定する。決まる。
      1. [初出の実例]「天地の 初めの時ゆ うつそみの 八十伴(やそとも)の緒は 大君に まつろふものと 定(さだまれる)(つかさ)にしあれば」(出典万葉集(8C後)一九・四二一四)
    2. 安定する。落ち着く。治まる。
      1. [初出の実例]「天(あめ)、先(ま)づ成りて地(つち)後に定(サタマ)る」(出典:日本書紀(720)神代上(兼方本訓))
      2. 「かくて世中さだまりけり」(出典:宇津保物語(970‐999頃)国譲下)
    3. 慣例として定着する。一定となっている。
      1. [初出の実例]「さだまりたる念仏をばさるものにて、法花経など誦せさせ給ふ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)御法)
  3. [ 二 ] 人が一つの状態に落ち着いて動かないようになる。
    1. その位置につく。配偶者となる。
      1. [初出の実例]「かくやむごとなきかたにさだまり給ひぬるを、ただならずうち思ひけり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)藤裏葉)
      2. 「おくりどのには、つゐにさたまる、みだいどころの御ざなければ」(出典:説経節・をくり(御物絵巻)(17C中)二)
    2. 心身が安定する。気持が落ち着く。
      1. [初出の実例]「世の中といふもの、さのみこそ今も昔もさたまりたること侍らね」(出典:源氏物語(1001‐14頃)帚木)
      2. 「定らぬ娘のこころ取りしづめ〈芭蕉〉 寝汗のとまる今朝がたの夢〈支考〉」(出典:俳諧・続猿蓑(1698)上)
    3. 寝しずまる。やすむ。
      1. [初出の実例]「幽月影顕はれて旅店に人定ぬれば」(出典:海道記(1223頃)市腋より萱津)
    4. 生まれる前から決まっている。運命づけられている。
      1. [初出の実例]「よしよしかかる恋路もさだまる種なり」(出典:浮世草子・男色大鑑(1687)五)

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